1歳と23〜26日目 通院の毎日

金曜は客先から直帰。上司も今の状態に理解を示してくれ、うるさい事言わなくなったので有難い。
そのまま鎌倉に。
昼間にかみさん&お義母さんがお見舞いに行ったところ、お義父さんが比較的高い発熱と、肺の片方が機能不全となったために、呼吸も苦しくなり、万が一といった状態に見えたため、僕も夕飯後にかみさんと病院へ。
途中、ギネスビールを一缶買って深夜の病室に入った。
ギネスビールは、まだ学生で、20歳を過ぎた頃にかみさんの家で晩御飯をご馳走になったとき、お義父さんと初めて一緒に飲んだお酒だった。
男兄弟で生まれ育った僕にとっては、「彼女のお父さん」ってのは本当におっかないイメージしかなくて、晩御飯をご馳走になるっていっても、ある意味プレッシャーというか、負担でしかなかった(笑)。
ところが、お義父さんはおもむろにギネスビールを出してきて、普通のビールと混ぜてハーフ&ハーフにしながら「これが好きなんだよ」と僕にも注いでくれた。
これが妙に嬉しくて、今でもはっきり覚えている。
病室に入ると、お義父さんは酸素マスクを着け、呼吸の度に胸が上下するほど苦しそうだった。
酸素マスクの内部が吐く息のために、呼吸の度に白く曇る。
この前までは、デビの声に笑顔を見せたし、僕の呼びかけにも声に出して答えてくれたが、もう声はまったく聞けない。
かみさんにお願いして少しの間二人だけにしてもらい、ギネスビール飲みながら話し掛けた。
目がうっすら開いて、話し掛けているのが僕であること、話し掛けた内容はわかってくれたみたいだった。
「また長兵衛(鎌倉の居酒屋)に飲みに行きましょう」と手を握って話しを終えた。
この3連休はずっと鎌倉にいる。
昨日は僕の弟夫婦が仙台からお見舞いに来てくれた。
弟の奥さんは妊娠6ヶ月のお腹を抱えて来てくれた。うちの両親も。ありがたい。
いよいよっていう具体的準備にも取り掛かり始めた。
病院から帰る時の洋服を準備して、斎場も具体的に調べて、必要な手続を確認して。
ホスピスの医師の説明では、今月一杯持てば、との事。
とにかくお義母さん、かみさんを、しっかり支えねば。
デビはいたって元気で可愛くて、それが何より全員の癒しになっている。
毎日くしゃくしゃの笑顔で純真に反応する様は、ともすれば天使とも思えてしまう。
こんな時だから一層思うんだけど、本当に本当に生まれてきてくれてありがとう。
パパもママも、おばあちゃんも、そして病院のおじいちゃんも心からそう思います。