読書

昨日は久しぶりに少々お高い本を購入。ノーベル文学賞を受賞したオルハン・パ
ムク著の「私の名は紅」。
帰宅途中の電車内でガサゴソと分厚いのに取り出して、まだ触りしか読んでいな
いけど久しぶりに「眺める」のではなく「読む」文章に向かった感じで、独特の
時代、風俗が湧き出してきて、ワクワクしながらも正直疲れる・・・
読む力って本当にすぐ衰えるものだと実感。
最近は司馬遼太郎とか池波正太郎なんかを好んで読んでいたんだけど、正月に親
父から「ちょっと軽いんじゃないか?ちゃんとした文章を読め」と注意されてい
た。
はっきりとバカにされた感じで、「言ってる事は分かるけどさぁ」と少し耳が痛
かったけど反感持っていた。
しかし、う〜ん、こういうことか、と納得。
事実や知識が詰まったビジネス書は、いかに読者に内容を理解させるかに注力さ
れているので、非常に読みやすいけど「読む力」に限っていうと全くといってほ
ど身に付かないんだと気付かされた。
読む目的が違うといえばそれまでだけど。
デビにはたくさん本を読ませたい。
本を読んだからと言って作文能力が必ず上がるわけではない、というのは僕のこ
の日記で実証できるけど(笑)、読解力は間違いなく上がると思う。
かくいう自分は小学校時代には自宅での勉強は全くといって良いほどやらなかっ
たが、野球と読書には熱中した。
読書は夏休み中には10冊以上は必ず買ってもらって読んでいた。
再読分を合わせると、約40日の夏休みの間に30冊近くは読んでいたと思う。
おかげで、高校、大学の入試で、現代文だけは常に偏差値70位を維持していた。
予備校の模試で、慶応医学部の一次試験(センタ試験)の合格率は100%と判定さ
れていた(笑)
現代文の問題で「下線1の〔それ〕が指すものを次の中から選びなさい」とか、
「文中の空欄に入る適正な接続詞を書きなさい」みたいな設問は、どうして問題
になっているのかが分からない位、当たり前のように解答できた。
他の教科はダメだけど・・・
この読解力は、勉強の成果でも自慢でもなく、何をおいても小学校時代の読書の
おかげだと断言できる。
人に分かりやすく説明する、という能力も読書によって養われると思う。
アカデミックにボキャブラリを活かしたスマートな話はなかなかできないんだけ
ど、こちらの言っている事を理解してもらう、という点では自信がある(あくま
でも文ではなく口頭で)。
読解を常にしていると、読解(理解)が困難な文(言い方)が分かり、自分が説
明する時にはその逆をやればいいんだと。
だからデビには本を読ませる。
大草原の小さな家」とか「シートン動物記」とか「24の瞳」とか・・・
最初は読み聞かせてあげよう。
どんな顔でどんな感想持つんだろう。どんな質問をしてくるんだろう。
どんな事を怖がって、どんな事に喜んで、どんな事を悲しむんだろう。
自分の小学校時代の読書体験が思い出されて、何とも懐かしく楽しい。
小学校時代の両親を思い出すにいたり、子供のどんな小さな問い掛けにも真摯に
答えてくれた両親に感謝し、僕らもそうありたいと願う。
デビには森羅万象、人類が作り出したもの、いろんな事に「なぜ?」と思って、
それを解明する事を楽しむ子になって欲しい。