湘南中央病院 緩和ケア病棟

本当に素晴らしい施設と、スタッフの方々だった。
設備そのものは、去年に新設された病院という事で清潔そのものだった。
何より素晴らしかったのはスタッフの方々の姿勢。
家族に対しても、ことさらに哀れむのではなく、かといって突き放すのでもなく
、常に受け皿を持って接してくれている感覚。
例えば、昨日と今日の点滴の種類が違った場合、ことさらに説明はしてこないん
だけど、こちらが質問すると、とても明確に答えが帰ってくる。「血圧が低めな
ので、○○を押さえるために××の投与はしばらくお休みします。ただ、××は
痛みを抑える効果があるので、痛みが出る可能性もある。様子を見て××の投与
を検討します」との事。
医師と看護士の情報共有が完全になされている安心感があった。
病棟には常にボランティアの方もいて、お義父さんとベランダに出たり、ロビー
で過ごす際にもお茶や御菓子を出してくださったり、お義父さんの足をマッサー
ジしてくれたり、床ずれをおこさないように2時間おきに体位を変えてくれたり。
不動産の広告で終の棲家という売り文句があるけど、厳密に言えば最期は病院で
向かえる人が殆どである今の世の中にあって、これだけ家族も患者も救われた思
いのするところもそうそうないのではないかと思う。
放射線と抗ガン剤治療を行い、患者、家族への対応もかなりずさんさを感じた病
院から、この病院に転院した瞬間に、お義母さんの心身の重い負担は軽減され、
僕たち家族の気持ちも良い意味で覚悟へ向かえたし、お義父さん自身の苦痛はほ
ぼ取り除かれた。
この日記に固有名詞を載せる事は控えてきたけど、これを読んだ人の中に、同じ
ような苦境に立った人がいたとしたら、是非お勧めしたい思いから、載せた。
心が通い、真摯でプロフェッショナルな人々に最期のお世話をしてもらえるホス
ピスだと思う。